ラトゥがいなくなりました。

1カ月か2カ月か、
はたまたもうあれから3カ月くらい経ったのか・・・
出産と育児に追われて
正直時間の経過が分からなくなってますが
実は少し前に田舎の家から連絡が入って
「牛が1頭、盗まれて見つからない」
ってことがありました。

いなくなっているのはラトゥというオス牛。
「ラトゥ」はシンハラ語で「赤」という意味。
毛色が赤い牛だったんです。
それを聞いたときに本当、愕然としたんですが
そのラトゥというのは田舎の家の牛の中でも
リーダー格の牛。
頭がいいとか他の牛の面倒見がいいとか
そういうことではなくて
とにかく気性が荒くてよくケンカする牛で・・・。💦
田舎の家の家族が
牛を飼い始めた最初のころに産まれた
ブブーという先輩牛も気性が激しかったんですが
田舎の家ではずっと
No1だったブブーが年を取ってきたころ、
ケンカを挑んでブブーを気絶させたことがあったほどの
強くて激しい牛でした。

あのラトゥがいなくなるなんて!!!
もちろん、
盗まれた牛がどうなるかというと。。。
基本的には1日絶食で
食べ物を与えられないまま置いておかれて
翌日早朝、暗いうちから体を洗われて、
きれいにした後・・・。

田舎の家では最近牛の面倒が見きれないということで
これまで気性が激しくて
誰にも預けてこれなかったラトゥも
何とか見てくれる人を探して
預けていたけれど、
牛を飼ったことがない人は盗まれる状況、
タイミング、注意しなくてはいけないこと、
そういうことがもちろんわからない。
田舎の家の家族もそれを知っていたので
ちょくちょく気にして声をかけてはいたものの、
面倒を見ていた人がちょっと気を抜いて
目を離した隙にいなくなっていたらしい。

田舎の家では牛が盗まれたのは
私が知っている限りでもこれで2度目。
もう一件は私が夫と出会う前、
内戦が終結した日に
身重のメス牛が盗まれているって聞いてる。
身重だって、そうでなくたって
盗んだ人は牛が飼いたくて連れて行くわけはなくて
日本で言う盗難車と同じく
盗んだ足取りを追えなくするため
できるだけ早く処理をしてお金に変える。
お腹に子供がいたってそれは同じ。

盗まれた方はその日のうちに
肉屋さんを回って運良く見つけ出せれば助けられるけど、
そうでなければ2日も経てばあとは
自分の家の牛の最期がどこだったのか
聞いて回るという辛い作業になる。

私もラトゥに触れたり
一緒に何かしたということはなかったけど
田舎の家ではブブーと張り合うことのできる
メインの牛であったことは確か。
家の前の田んぼが休耕の時期、
朝起きると田んぼに生えた草を食べているのを
よく見かけていたし、
ホームステイしに来てくださった方々は
おそらくどこかで見かけているんじゃないかな??

赤いというよりも赤黒いような毛色の
大きな牛です。ちなみに黒いのはブブー。

連れて行かれる時、
言われなくても牛たちはちゃんとわかる。
きっとラトゥも何かを感じていただろうし
怖かったろうと思うと
思い出すたびに
すごい寂しさを含む脱力感を感じる。

この記事も実は書いては止め、書いては止め・・・
ラトゥの最期がちらちら頭に浮かんで
変な汗をかくし書くのに時間がかかりました。
牛はスリランカではモーダイ(おバカ)だと言われる半面
アヒンサカイ(優しい)ともいわれる動物。
まあ、ラトゥはアヒンサカイとは程遠かった気もするけど。

スリランカに行かなければ、
夫と出会わなければ、
私もラトゥとは出会わなかっただろう人生、
なのに田舎の家でラトゥに会ったのは
何か巡り合わせがあったハズ。
そしてきっと、次の生でも私たちの近くに
生まれ変わってきてくれるはず。

次の人生では今回よりも
良い人生を送ることができますように。
心からラトゥの魂の幸せを願って・・・。
ラトゥの写真を見るのがまだ今はちょっと辛いので
写真は載せずにおきます。

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