エマル ビソー カタンダレ

スリランカで新年なんかによく聞く子供の歌にこんな歌がある。
[[pict:down]][[pict:down]][[pict:down]]


よく聞く曲だけどこの中でずっと疑問に思っていたフレーズがあった。
それが一番最初はこの曲が始まって42秒ほどのところで出てくる
『アネェ〜 シーヤ アマビソー カタンダレー キヤンナコー[[pict:symbol7]]』
これはシンハラ語で
「ねえ、おじいさん アマビソーの お話 してよ」
という意味。
で、
アマビソーカタンダレって何?
子供が大好きになるほどそんなにおもしろい話なのかな??

とずっと気になってた。
ちょうど友人が近くにいるときにこの曲がかかったので、
「ねえ、このアマビソーカタンダレってどんな話?」
と聞いたところ
「あれ?Keikoこの間読み終わったって言ってたあの本に載ってたよ。ほら、あの『ナグルムンナー サハ タワット カター(ナグルムンナー と その他の 話)』って本」
なに〜!!?どの話だ?
さっそくナグルムンナーの本を見てみたところ・・・

ナグルムンナー サハ タワット カター
あった。。。
10話目に載ってる『エマル ビソー』

10話目に載ってた・・・
『エマル ビソー』

お話の内容を簡単に書くと・・・
******************************
ある山に捨てられていた子供をサギ(鷺)のお父さんとお母さんが拾い、エマル姫という名前をつけて育てられる。
エマル姫が大きくなったある日サギのお父さんとお母さんはエマル姫のために金のブレスレット、金のピアス、真珠のネックレスを探しに出かけることになる。
そこでエマル姫に家にいる犬と猫とオウムにご飯が足りなくないようにしっかりとやってね。外には出てはダメよ。と留守番をいいつけて出かけていく。
エマル姫は2〜3日はしっかり犬と猫とオウムにご飯をやったものの、ある日ご飯が足りなかったため猫にやるご飯を少し少なくしてしまった。
ご飯を少なくされた猫は怒って、夜小さくしてあったかまどの火に灰をかけて消してしまう。
次の日、火が消えてしまっているのを見たエマル姫は仕方なく火のある家に火をもらいに行くことに。火のある家を探して森を歩いていって見つけたのは鬼のいる家。
そのほかには火のある家がなかったためエマル姫が火を分けてほしいとお願いに行くと鬼の旦那は出かけていて、鬼の奥さんが出てくる。
「別に分けてあげてもいいわよ。」といいながらも、旦那が帰ってきたらこの子を食べることができると鬼の奥さんは火を分けてあげる代わりにエマル姫を引き止めるための、時間のかかるお手伝いを言いつける。
でもエマル姫がそれをやろうとすると不思議な力であっという間にお手伝いがすんでしまい、鬼の奥さんもどうすることもできず、ココナッツの殻に穴をあけそこに灰と火ダネを入れて家へ帰してやる。
鬼の旦那が帰ってきた後、鬼の奥さんは旦那にココナッツの殻にあけた穴からこぼれる灰をたどっていけば人間の家につくと教え、鬼の旦那はそれをたどってエマル姫の家まで来てしまう。
鬼はエマル姫に「お父さんとお母さんが帰ってきたよ。ドアを開けなさい」と話しかけるものの犬と猫とオウム、最終的には庭に植わっている木、近くを流れる川なども手伝ってエマル姫に「それは本当のお父さんとお母さんではないからドアは開けてはいけない」と教える。
鬼はエマル姫を手伝う動物や周りの環境に怒って一つずつそれを排除していくものの、最後にはエマル姫に協力した川の水を飲み干そうとして息が吸えなくなり死んでしまった。
その後家に戻ってきたサギの両親の呼びかけに、一度は鬼に追い払われて飛んでいってしまっていたオウムが戻ってきて「本当のお父さんとお母さんだ」と伝え、エマル姫は無事お父さんとお母さんが持って帰ってきた、金のブレスレットと金のピアス、真珠のネックレスをもらいました。
******************************
という話。
実はこの話、最初家にいた犬と猫は話の途中で鬼に殺されてしまう。
読んだときにもそれほどおもしろい話だとも思わなかったし、最初に森に捨てられていたときにエマル姫は人間にも見つけられていたのに、その人間たちは
「私たちには育てられない」
とそのまま置き去りにされてしまう。
このあたりの話の流れが子供に受けるとも思えず、正直改めて歌の中で
「ねえ、おじいさん アマビソーのお話してよ」
しきりにおねだりされるほどおもしろい話だとは思わないんだけど・・・
でもそれは日本の昔話のかちかち山とかさるかに合戦のように残酷な場面があっても子供たちが話を知っているように、これもまたスリランカの古くから伝わる昔話なんだろうな。
この「ナグルムンナー サハ タワット カター」という本にはスリランカの昔話が22話書かれているんだけど、この本は実は2冊あるうちの2番目の本。
1冊目は「ランキャキラ サハ タワット カター(ランキャキラ と その他の 話)」
1冊目の本はおそらくすでに廃盤になっているようで、私は偶然本屋さんに残っていた1冊を購入して読んだけどその後どれだけ探しても出てこなかった。
でもここに載っているのは徐々に忘れられてしまいそうになっているスリランカの昔話。
ナグルムンナーはまだ再版されて売られているので
興味のある方はぜひ読んでみてください!
(ってシンハラ語じゃ読めないですよね。[[pict:bomb2]])
こういう本もいつか日本語訳して紹介できるといいけど、
こういう本って興味がある人はなかなかいないかも・・・[[pict:rain]]
読んでみたいと思ったら拍手をクリックしてください。
たくさん拍手があったら翻訳します!

タイトルとURLをコピーしました