カヴィマドゥワ

今日は少し前から先生やシンハラ語学科の子達に誘われていたカヴィマドゥワ(詩の夕べ)というイベントがあった。
スリランカの人たちはとてもカヴィ(詩)を作るのが上手でそれはシーギリヤに書かれているシーギリギー(シーギリヤの詩)なんかでも知ることができる。
詩人でなくても一般の人たちでも自分の思ったことを詩にできるというのは本当に魔法のよう。
そんな詩を作るのが上手なスリランカの人たちが昔からみんなで楽しむ時間としてやっていたのがカヴィマドゥワ。
以前はテレビでもカヴィマドゥワのプログラムがあったらしい。
そういえば今回のこのカヴィマドゥワ、よくよく見ると大学のあちこちにたくさんポスターやチラシが貼ってあった。

学校の入り口、キャンディロードにもこんなポスターが。

シンハラ語学科のシンハラ語の会が中心になっているし、ぜひ行ってみよう!と早速参加。
2時から先日大学院の始業式のあったスリ ダルマーローカ シャーラーワ2012年3月3日参照)へ。
もちろん私も見るのは初めてだから「みんなが詩を読むんだよ」と聞いていてもそれがどんな状況なのかわからない。
と、そんな中始まったカヴィマドゥワ、最初はシンハラ語学科のD先生が登場。
D先生もカヴィを作るのがとても上手で、本も出版してるし何かあるとすぐに即興で詩を作っては歌ってくれる。
キャラニヤ大学の校歌を書いたのも実はD先生。
そのD先生、舞台に上がって最初のひとこと目からもうすっぱりしっかり全部カヴィ。

シンハラ語学科のD先生登場

即興でカヴィを作りながら今日、ここでカヴィマドゥワができることについての感謝のスピーチ。
そしてその後このカヴィマドゥワに参加してくれた先生たちの名前の紹介もすべてカヴィ。
ここまででもうすでに私には鳥肌ものだった。

そういうこと!?
これ、すごい!![[pict:kirakira2]]

先生の紹介と最初の挨拶が終わったらD先生は企画者なので観客席へ。
今回このカヴィマドゥワのために呼ばれていたカヴィヨ(詩人たち)が舞台でこれまた最初から全部カヴィで話をしていく。
最初はそれぞれ自分の簡単な自己紹介をした後2人での詩の競い合い。

両側にマイクがあるので2人でこうして詩を詠い合います。

そのうちにそれぞれのカヴィヤ(詩人)の話を聞いた他のカヴィヤが徐々に笑いの突っ込みを入れはじめる。
時間が経つにつれて観客席にいたD先生にまで突っ込みが飛び火し、D先生も舞台へ走っていって参戦するわ、
「誰かカヴィを一緒に詠ってみないか〜[[pict:symbol7]]」
と呼びかけると400〜500人はいたと思われる会場から観客席にいた若いハームドゥルヲと、女子学生が一人出てきて舞台に上がってこれまた上手にカヴィを詠うし、恥ずかしがりだと思っていたスリランカの人たちの度胸にも関心してしまった。

飛び入り参加のハームドゥルヲ

こちらも飛び入り参加の女子学生。
彼女はなんとシンハラ語学科の生徒でもないようです。
でも堂々と、とても上手にカヴィを詠ってました。
すごい!

結局このカヴィマドゥワ、2時から始まって6時まで約4時間続き、最後は
「このまま明日の朝までやってもいいというならやってもいいけどそろそろ終わりにしないといけないよね。なんでもやりすぎるのは良くないし〜・・・[[pict:symbol7]]」
とそれも詩で詠ったあと、この楽しいカヴィマドゥワに呼んでもらえて今日は楽しかった、みんなありがとう。
というような挨拶でカヴィマドゥワは終了した。
この4時間の間、出演者はだれも普通に言葉を話さず、
最初っっから最後まで本当にみっちりむっちり全部がカヴィ
だった。
今回のカヴィマドゥワはたくさんの観客を集めての企画だったけど、これもまたスリランカに昔からある村の楽しみの一つで、農作業が一区切りした時期なんかに村で詩を作るのが上手な人が中心になって、カヴィを詠って楽しむ身近なものだったんだろうと思うと、その時、その時をみんなでささやかに楽しんでいただろう穏やかなスリランカの村の様子を思い浮かべて、そんな風に過ごしてきた人たちのことをもっと知りたいと思った。
ただ、このカヴィマドゥワ、世の中が変われば徐々に生活も変わっていくので今は開催も少ないという。テレビでも昔はカヴィマドゥワの時間があったものの、今はなくなってしまっているのはそのほかにドラマや映画などもっとおもしろい番組ができてきてしまったからじゃないのかな。
でもシンハラ語学科の学生の中にも
「小さいときによく見ていたカヴィマドゥワの番組を思いだす。」
と言っていた子がいた。20歳くらいの子がそういっているなら10年、15年くらい前まではカヴィマドゥワがまだみんなの楽しみとして残っていたということ。
今回も思っていた以上に大学内の生徒が集まってきていて、ただのカヴィなのに!
とびっくりしたけど、日本で俳句の会とか大学で開催してもそれほど人は集まらないんじゃないかと思う。でもスリランカでは今までに見たことがないくらいの人の入り。
それだけみんながカヴィに興味があるということがわかる。

本当にたくさんの生徒が集まってきていました!
観客も多かったし来年もできるならやってもいいな〜とD先生も思っているみたいだったからまた来年もカヴィマドゥワがあるならぜひ聞きに来たいな!

今回のカヴィマドゥワ実行委員のシンハラ語学科の生徒たち。
おつかれさまでした!!


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