サムの話

先日、久々に本屋さんに行ったらお店の前にポスターが。
おお!!出てるの!?
ということで早速購入してきたのがこの本。
(なんか、この辺買い方のノリがすでに日本の本屋に行くのと変わらない。笑)
『サェミーゲ カターワ(サムの話)』

英語の題名は『samy’s story』そのままですね。
これ、最近映画館でも上映されている映画で、主人公のサムを演じている男優さん(ジャガット チャミラ)はNew York City International Film festivalで男優賞を受賞してる。
映画のCMもテレビで流れていて、もうそれを見たところから見てみたいな〜と思ってたんですけどね。
この映画についての動画ないかな〜?と思って探してみたら、あった、あった。


もうホント、最近のスリランカ何でもありですね。
この話、サェミーの目線で書かれているから文章も話し言葉。
話の設定としては内戦中のスリランカ。
サェミーはあまりいろいろと考えないので戦争をしているのは「僕たち」に対して、「僕たちじゃない他の人」として表現する。
「他の人」は「僕たち」の偉い人を爆弾で殺したから悪いやつらだ。
と言いながらも
一緒に働く他の2人の使用人には
「他の人と一緒の奴らだけど、あいつはそんなに悪くない。でも黒い。」
と素直すぎるその書き方もおもしろい。
今までスリランカの現代小説って読んでなかったんだけど内戦中の人々のことをサェミー目線で書いてるこの小説はおもしろそう。
スリランカの友人に聞いたところ、読んだ人はやっぱり映画が見てみたかったからという話が多かった。
でもサェミーの考えること、見ることを淡々と描いてるだけだからわくわくする感じもないし途中で読む気にならなくなったという友人もいた。
ま〜、確かに。
サェミーは時間の流れもあまりわかってないし、数の数え方も適当。
自分の好きな数字が25とか2000とかだからって自分の年も25にしてる。
スリランカでは20代の若者でさえも内戦の大変さは子供のころから直に感じてきているから、サェミーの目線であっても内戦の話をフィクションで見たくはない人もいるのかもしれない。
でも、日本ではなかなかこういう本もないだろうし私はとりあえず読んでみようかな〜と。
映画を見に行くことができたら、その時には十二分に理解したいし。
フィクションでも内戦の時の肌で感じる世の中の空気、
スリランカでサェミーのように学校にもあまり通えなかった人たちがその中で一生懸命いろいろな事を考える思考、
この辺りは私も内戦終結前にスリランカに滞在していたこともあったわけだし「あるある」って感じる部分もある。
ちなみにこのサェミーを演じたナルヲ(男優)は現在放映中の『ラナー』(ITN、平日20:00〜20:30)の主演ラナーを演じてるけど、同一人物とは思えない。
でもそっちの演技もなかなか[[pict:symbol7]]
最近はだんだん話も進んでおもしろくなってきたし[[pict:kirakira]]

ところで、この『サェミーゲ カターワ』、私が買ったのはもちろんシンハラ語だったけど、元々は英語で書きおろされていてそれをシンハラ語に翻訳しているみたい。
原作者はエルモー ジャヤワルダナ氏。スリランカの人ですが。
この本の表紙に翻訳者の名前が書いてある。
英語が堪能なら読めるチャンスもありです!
気になる方は・・・スリランカでぜひ探してみてください!

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