シダッサンガラーワ

昔の南アジア、インド・スリランカの人たちってすごいな〜!と思うのは詩について、小説について、そういったことの要素についても本を書いていること。
そしてスリランカについてはシンハラ語の発達によってシンハラ文字とはいくつあるのか、そういうことについて書かれた『シダッサンガラーワ』(sidathsangarawa)というすごい本がある。
すごいというのはどうしてかというと、それまでシンハラ語についてしっかりと決められていなかった文字の数などについて初めて本に表すという偉業をしているから。
カトゥワラヤー(著者)は誰なのかはわかっていないし、合っていること、間違っていることはあってもこの『シダッサンガラーワ』のカトゥワラヤーはすごいと評価されている。
世の中にまだ誰も書いたことがないことについて書くというのはとても勇気のあることだから。
1冊でも本が作られれば、その後の土台はそこから始まる。
日本の映画「羅生門」を見て「マナメー」を作ったサラッチャンドラ マハター(サラッチャンドラ氏)が研究したシンハラ劇の内容について賛否両論はあれども大学の授業は彼の研究内容を元に進められるのも、それがどんな形であったとしてもシンハラ劇の研究の土台を作った人であるから。
そしてスリランカの古代文字を研究していたパラナウィターナ マハター(パラナウィターナ氏)も古代文字の研究の土台を作った。
最終的に彼はシンハラ語の起源を求めてモヘンジョダロまで行っちゃうけど、結局その証明ができないまま亡くなった。
彼が仮定していた古代文字の理論も賛否両論だったけど、それを証明していたらインド、スリランカの歴史が大きく変わる大発見となる可能性があったという。
話が少しずれちゃたけどシダッサンガラーワ。
勇気ある行動だけど、これまたスリランカらしいとKeikoが思うことがもう一つある。
それはこんな詩でシンハラ語の文字数が表されていること。

パナクル パセキ エダ − ルフグル ベイン ダサ ウェー
ガタクル ダ ウェー ウィッセック − ワハラタ ユフー シヤバセー
panakuru paseki eda − 
        luhu guru beyin dasa we
gatakuru da we wissek − 
        waharata yuhu siyabase
母音は5つ − 長音と合わせると 10個
子音については 20個 − 文章を作るときに使われるのはそれだけ

こんなことまで詩で書くなんてホントにスリランカらしい!
ちなみにシンハラ語の本が手元にあるならみてみるとわかるけど、シンハラ語の文字は現在では母音は18種類だし、子音は42種類。合わせて60文字。
もちろん文字の数が全然違うのは今は現代、2013年だからだし、シダッサンガラーワが書かれたのが1300年代だから。
ただ、この詩で言っていることは実は当時で考えても間違っているということが定説で、カトゥワラヤーが間違って書いたその理由もわかっている。
その理由を聞くと、世の中で最初の事をすることの難しさ、勇気を知ることができる。
でも、その話はちょっとまた長くなるので次の機会に・・・。

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