スリランカの文化と牛

このウェサックの3日間の間にスリランカでちょっとした事件が起こっていた。
週明けにはどの新聞にも一面に写真が載っていたんだけど、少し前から「牛を殺さないようにしよう。」と呼びかけていたハームドゥルヲが嘆願書を出し、マハヌワラで自分の体にガソリンをかけて火を付け焼身したという事件だった。
そこでふと考えたのはこの「牛」「スリランカの文化」について。
スリランカの場合、牛というのはをもたらしてくれる動物
昔の人々はお金を貯めて牛を飼うことを夢見た。
それは牛を飼うこと=お金持ちになれる。と考えられていたから。
というのも牛というのはそのころ食べるものではなく、生活を助けてくれる動物で、
[[pict:cow]]草食で雑草を食べてくれる
[[pict:cow]]糞はよい肥料になる
[[pict:cow]]畑や田んぼの仕事をたくさん手伝ってくれる
[[pict:cow]]牛車を引いて遠くまで連れて行ってくれる
[[pict:cow]]牛乳を取ることができる

そういうことで生活を助けてくれる動物で、こういった仕事を通じて飼い主はお金を得ることもでき、更に子牛を産めばその子牛の余力分は貸し出したり、売ったり、牛乳を売ることによって2倍、3倍に生活が豊かになっていく。
そういう意味でスリランカでは牛というのは食べる動物というよりも生活に富をもたらしてくれる動物であり、たとえば結婚相手を見つけるときには相手の家の大きさ、持っている土地や畑と一緒に牛がいればそれも大事な資産として考えられていた。
でもそれって完全に農家ベースの考え方だよね〜?と思ったらその通り。
だって、スリランカではクラヤ(職能)でも取り上げた通り国の半分がゴウィクラヤ(稲作農家)であり、王様になるのもゴウィクラヤなんだから。(詳しくは2013年4月25日参照
昔話では難しいことは考えられない動物として取り上げられたりもする牛だけど、その分みんなからは愛される。[[pict:clover]]
日本だと牛と聞くと牛肉、乳牛、食料のイメージだけど、スリランカで「牛」というともっとこう・・・犬や猫とは違った意味で存在感のある身近な動物。
スリランカで生活と深く関わらなくてはならない木がココナッツなら、生活と深く関わらなくてはならない動物はなのかもしれないね。

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