ヌワラエリヤの子供たち

ヌワラエリヤに行く途中、グネグネの山道を登るところがある。
完全に山を登るためのカーブの続く、ジグザグ道のような上り坂。
その坂道に小さな女の子がいた。
手には花束を持って。
道を通る人に花束を売ってたんですね。
で、最初すれ違った時には3人の女の子が花束を持って
「買ってって〜!」
と見せてきた。
生花は気候も涼しいヌワラエリヤが産地なのは有名な話。
「へ〜、こんなところで花も売ってるんだね。」
と言いながらそのまま無視して走り去ったんだけど、運転していたアイヤがバックミラーを見て
「あ、一人走ったよ!?コーナーの上でまた出てくるかも!?」
半信半疑で走って行ったところ、コーナーを曲がってしばらく行ったところでちゃんと待ってる女の子。
また花を見せて買って、買って!とアピール。
ちゃんと道の上へ走れば車に間に合うと知って走るんだろうけど、その女の子はまだ小学校1〜2年生くらい。
そんな年の子が花を売ってるだけでも健気なのに、更に山道を一生懸命登って必死に花を見せようとするその必死さにびっくり。
でもこの時もびっくりしながらもそのまま通り過ぎたんですよね。
すると、ドライバーのアイヤがバックミラーを見てまた
「え〜!あの子、また走ったよ!まだ登るの??」
車に乗ってた田舎の家の家族もみんなびっくり!
あんな小さな子なのにどこにそんな力があるの?
そして・・・
次の角を曲がって行ったところ・・・
山影から女の子が出てきた〜!!
もうみんな唖然。
すかさずアンマーが
「とりあえず花の金額を聞いてあげよう!いくらかわからないけど。」

更に走って追いかけてきたらもう本当にいたたまれない。
女の子の前で車を止めて
「その花、いくら?」
と聞いたところ
「500ルピー!」
とそういう女の子は肩で息をしながら額には一生懸命走って来てかいた汗が粒になってた。
この子、買ってもらえるかもしれないと思って山道を必死に走ってきたんだなと思うと本当に哀しくなった。
「もう走らなくていいから。がんばっていっぱい走って疲れちゃったよね。これ持って行って。」
そういって100ルピーを渡してさよならをしてきた。
まだこれからヌワラエリヤへ行って帰って来なくてはいけないのに行く道の途中で花束を買っても困ってしまうし仕方がなかったけど、あんなに小さな子が山道を走るのはきっと小さいからこその元気と、ひたむきに花を売らなくちゃ!と思う子供心もあるんだと思う。
たぶんやらせている花のオーナーかこの子の両親も子供がやったほうがかわいそうだとお金ももらえると計算済みなんだろうけど、それでもやっぱりこれ以上走らせるのはかわいそう。
どんな直感であの子が走って3度も売ろうとしてきたのかはわからないけど、ひたむきさが本当に健気だった。
その後ハッガラ植物園でその子の売っていたのと同じ花を見つけた。

この時間もまだあの子は花を持って走ってるのかな?
あの子の汗だくのあの顔を思い出すだけでも切ない。。。
そして今度は帰り道。
2人の男の子が自分の家で作った野菜を一生懸命売っていた。
アンマーが
「いくら?」
と聞くと
「(ひと山)30ルピー!」
見てみると安いは安いけど他の八百屋さんに比べると小さな小さなニンジンと大根。
そしてこれまたいらないと思っても断るのがかわいそうになるくらい、小学校低学年くらいの男の子。
「あのね、もう少し先に行ってまた戻ってくるからその時に買うからね。」
直接断るのがかわいそうになってアンマーがそういった途端
「20ルピーでいいから!買って!」
男の子もちゃんとそれは断られる時の言葉だと知ってたんでしょうね。
ふと見ると男の子たちの野菜を置いてる場所からその先に野菜畑の間を細く延びる小さな道とその先には家の前に座ってるおばあさんとその周りを走り回ってる小さな女の子。
花を売ってた女の子といい、この男の子といい、必死に家のお手伝いをしてるんだろうな。と思うと私には何もできないことはわかっていても、この子たちの未来はどうなっていくんだろう?
そう考えずにはいられなかった。
田舎の家もけしてお金があり余ってるような裕福な家じゃない。
今までも何度も大変な思いをしながら少しずつ生活を良くしてきた家。
ヌワラエリヤで出会ったこの子供たちも生活は急に良くはならないかもしれないけど、少しずつでも生活が良くなって、これからのスリランカを担っていけるよう、
両親が子供をしっかりと育ててくれるといいな。
そう願わずにはいられなかった。

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