仕事

最近知り合ったスリランカ人の女の子。
日本の会社で数カ月働いているたんだけどもう少ししたら辞めることにしたと連絡が来た。
まだそんなに働いていないのにもう辞めちゃうの!?
びっくりしたもののよくよく話を聞いてみるとそこには日本とスリランカの雇用についての考え方の違いが・・・。
日本の場合、就職したらしばらくは転職も考えずに働くのが通常で、長く働けばそれだけ雇用保険や退職金やら手当も良くなるようになってる。
でもスリランカの場合はそういったものがほとんどない。
国の仕事であれば年金がもらえるため一度就職したら辞めることは少ないかもしれないけど、彼女がいたのは年金制度のない日本の会社。
日本の会社だから聞こえとしてはいいもののもちろんそれよりもお給料がいい会社は正直今じゃいくらでもある。
他にいい会社があれば迷わず転職したい。
スリランカでは就職していても他にいい仕事の話があればすぐに辞めるのが通常で、そのために常により良い仕事の話がないかと情報を集めている。
そんな彼女に日本の会社の日本人上司がある日こう聞いたのだという。
「あと2カ月この会社にいてもらえますか?」
日本人上司にとってはたったの2カ月だしいてもらえるだろうと思っての言葉だったのかもしれない。
でもこの言葉を聞き、彼女は2カ月を待たずにすぐに退職することに決めた。
いつでも転職の覚悟でいるスリランカでは明日、明後日にでも急にいい就職先の紹介があるかもしれない。
彼女も今の会社で仕事をしながらよりお給料のよい仕事があれば転職するつもりでいたけれど、あと2カ月いてもらえるかという言葉の裏に2ヶ月間は必ずいなくてはいけないという意味合いを感じ、「むしろその確約は私にはできない。」と判断して迷惑をかけるよりはと退職することにしたのだという。

「スリランカの人たちって怠け者ですぐ辞めちゃうから・・・」

そんな話はよく聞くけど、逆に言ったらそれだけ仕事にシビアとも言えるのかもしれない。
自分に何か利益があれば続けるけど、そうでなければすっぱり辞める。
そう考えれば彼女にとってその仕事は正直それほどの利益がある仕事ではなかったんだろうと思う。
日本だったら少々不満があっても転職を繰り返すのもよくないしと続けるところ、スリランカでは転職が良くないという概念がないから、それだけ本人に利益のある仕事内容と給与を提示できなければ未練なく辞めていく。
そうして次々と人が入れ替わっていくことに対して「怠け者ですぐ辞めちゃうから」という言葉で片付ける。
でもそれは雇う側がそれだけ雇われる側に魅力的な仕事を用意ができなかったとも言えるのかもしれない。
たかが2カ月、されど2カ月。
無職を覚悟で退職を決めるのもスリランカではよくあること。
「人生ってどこで何が起こるかわからないしね!」
と笑う彼女を見て、生活が変わるのが苦手な私としてはスリランカの人たちって本当に普段からチャレンジャーだな〜と感心した。

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