残業しないスリランカの人たち

今朝、NHKのあさイチを見ていたら
「働き方」についてやってました。
日本人は残業が多い、とか
どのように残業を減らすのか、とか。

早く帰りたいけど仕事が終わらなくて・・・
休日も仕事の電話が入れば対応しなくてはいけない・・・
そんなのを見ながらスリランカの人たちの
仕事ぶりについて思い出してました。
私も実はスリランカで
日本関係のお仕事を手伝っていたんですが
そこで働く現地スタッフ(スリランカ人)たちはもうホント
さっぱりすっぱりほぼ全員定時で帰宅してました。
理由はいろいろあったのですが、
多かったのは職場までの交通手段に
送迎サービスを使っていた人が多かったこと。
スリランカでは公共交通機関となる
バスや電車でも通勤はできますが
毎日通うのであれば、
そして女性であれば特に
家の前から会社の前まで送ってくれる
月極めの送迎サービスを使う人が多いです。
送迎サービスというのはコロンボ近郊から出発して
幼稚園などのスクールバスのように
乗る人のいる家や待ち合わせ場所を回りながらコロンボへ行き、
乗車する人それぞれの職場の前まで送り届け、
夕方になるとその反対に
コロンボの職場から家まで送迎するというサービス。
他の職場も回って行くので
決まった時間に車がやってくることになり、
それに乗り遅れると自力で帰宅しなくてはいけない。
となると必ずそのバスに乗れるよう
時間に余裕を持って仕事を終わらせなくては
いけないことになります。
バスによっては定時には外に到着するものもあり、
それに乗らなくてはいけないスタッフは
定時前に必ず仕事を片付け、
定時きっかりに外に出なくてはいけないことになります。
そのため、当然残業はできなくなるわけです。
その他、残業をしない理由としては
本職以外の何らかの活動を行っていること。
スリランカの場合、副業をしてはいけない
という決まりはないので
本職と同時進行で副業をしていたり、
何らかの福祉活動をしていることも多々あります。
そういう意味で仕事を終えた後、
他の約束に向かうため
残業をしている暇はなく
早く次の場所へ移動しなくてはいけない!
と帰って行くことになります。
私のいたところは残業代もきちんと出していましたが、
会社によっては残業代が出ない場合もあるので
そういった場合には残業するメリットはないということで
それこそ時間ピッタリで帰宅することになります。
そんなこんなで基本的に残業をしない彼らですが、
もう1つ日本と大きく違うと感じたことは
何と言っても
仕事<人生、家族
であること!
仕事は家族と楽しく過ごすためにするものである
という考えのため、
いくら残業代が出るといっても
勤務時間外の仕事に魅力を感じていなかった気がします。
日本人が仕事をするのはお金と生活のため、
スリランカ人が仕事をするのは人生を楽しむため。
と言うような言葉もよく聞いたんですが、
仕事が終わる時間になれば
家族と過ごせる時間になるので
1分でも早く帰ってゆっくりしたい。

それがスリランカの人たちが生活の中で
一番に望むことだった気がします。
残業をしないって聞いたことはあったものの
実際に初めてみたときには私もびっくりしました。
でもしばらくするとその仕事の仕方、
本当にいいな〜!!
って思うようになりました。
みんな昼間はテキパキ仕事をして
定時前になると
時計よりも正確に身支度をして帰って行く。
余裕を持って仕事をして、
余裕を持って片づけるので
いつも机の上はきれいだったし
他の誰かが机の上の鉛筆を
動かしたりするだけで翌日
「誰かここに来てた?」
と分かる人もいたくらい。
すごい人たちだな〜って思いました。
でも日本でそんなこと、やっぱり無理だよ!
だって、取引先から仕事の電話が
来ることだってあるんだし。。。
って思ってしまうわけですが、
スリランカの場合
スリランカで働く人たちの多くが
そういうスタンスで仕事をしているので
定時の1時間〜30分前になると
取引先に仕事を頼むのも控えることになり、
社内でも夕方仕事ができた時には
無理をせず翌日に仕事をするようにしていました。
社内も社外もみんなが定時近くになったら
家に帰る準備に入るということは
仕事を頼む側としても夕方は急ぎの仕事は
お願いできないことを承知の上で
仕事をすることになりますし、
そういった環境がすでに出来上がっていること
(逆にいえば日本のような
がんばってしまう環境にならなかったこと)
はとても良いことだな〜って思いました。
いや、でも、それでもやっぱり仕事って
なかなか終われないものじゃない?
と思うところで、
特に日本人の方達は残業気味でしたが、
日本人の方達はスリランカでも
車を使っていることが多く、
実費でドライバーさんを雇っている場合もありました。
このドライバーさんを雇うというのも
実は残業をしない良い方法だなと思ったんですが、
ドライバーさんにも一応仕事の定時があり、
その時間を過ぎると
雇い主が残業代を支払わなくてはいけなくなる
=自分のお給料が減る
ということで、日本人の方も
仕事の定時は過ぎるものの、
ドライバーの定時に合わせて帰宅する
という方法をとっている方もいました。
日本は公共交通機関で帰宅できてしまうし、
車があっても自分で運転することから
残業がずるずると長くなってしまいがちですが、
スリランカのように時間の制限や
何らかの不便なことがあると
逆に残業をしない生活になるのかも??
そんな風に思ったのでした。

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