迷い犬

11月にこの家に迷い込んできた子犬のチャングミ。2012年12月23日参照
その後最近になって急にいなくなったと聞いていた。
目を離したほんの数分の間にどこかに行ってしまったということを考えると誰かに連れ去られた可能性が高いという。
元々里親探してたし田舎の家の家族としても
「どこ行ったんだろうね〜」
といいつつも欲しい人がいたならかわいがってくれればいいから・・とこれまた時の流れに身を任せのような心の広さ。
スリランカの場合、牛が盗まれればそれは牛肉として殺される可能性が高いため必死になって探す。
(盗む人は牛肉が欲しいのではなく、盗んだ牛を肉屋さんに売ってお金を得るために盗みます。肉屋さんは泥棒したら足がつきますが、盗んだ人は足がつきませんからね。)
この家でも過去盗まれたことがあったらしく家族で必死に探したという。
その時には結局見つからず、見つけられずにいるうちにおそらく殺されたんだろうと言っていた。
もちろん見つかるときもあるらしく、近くでよく見かける水牛はお肉屋さんに連れて行かれてお店につながれているところを発見し取り返してきたって言ってた。
でも犬の場合は食べられることもないし、連れて行くということは何か悪いことをする要因も考えられない。
里親は探していたけど見つけられなかったのでこっそり連れて行くほど欲しいと思っているならある意味願ったりかなったり。
そんなわけでチャングミもいなくなりまた元の一家に戻ったはず・・・だったんだけど!
今回久々に言ってみたところ、またしても見かけない犬がいる??[[pict:piyo]][[pict:eq]]

新たに家に住み着いちゃってました。
目の下に大きな傷があるけど毛並みもいいしいい顔してる。

この犬、どこから来たの?前からいたっけ??
「あ〜これ、ダダヤンバッラなのよ。アタラマンウェラー(道に迷って帰れなくなったみたい。)」
え〜!ダダヤンバッラ!?
ダダヤンというのはシンハラ語で猟のこと。バッラは犬。
要するにこの犬は猟犬っていうことだ。。。
スリランカで猟をする人はもちろんいるからそれを手伝う犬もいると思うけど、猟犬ってはじめて見た・・・。
『カルゥ〜』って呼ぶと寄ってくるからたぶんカルゥって名前なんだと思うけど・・・。」
真っ黒じゃないけど黒い部分が多いからカルゥ(黒)と言えば言えなくもない。
猟犬だと分かったのはこの犬を以前見たことがある人がいて、この犬は猟に使われていたぞ・・・と伝え聞いたから分かったらしい。
でもそれなら飼い主も見つけられるじゃない?と思うわけだけど直接飼い主を知っているわけでもないし、必要なら飼い主の噂がこの家に伝わってきたように、飼い主にも噂が伝われば取りに来るだろうということで特に何もしていないらしい。
犬も帰りたいと思うならまた家を探してどこかに行くだろうとも思っているらしい。
いつものように自由奔放な放置の田舎の家族。
この犬にとってはしばしのプチ家出なのか永遠の家出なのか・・・
それにしても普通の犬とはやっぱりしつけてあるからなのかちょっと違う。
人に触られるのは好きだし、かまってもらうのも好きな様子だけどしっかりと上下関係は分かっているみたい。
必要以上にしつこくはしないし、とても遠慮がち。
そしてまったく吠えない。
この家の家族は最初はゴル(声が出ない=吠えられない)だと思っていたという。
この家に来て数日後、深夜に道路を歩いていった人に吠えたときに初めて吠えることもできるとわかったというほどに普段はまったく吠えない。
吠えなくてはいけないのがどういうときかということも良く分かっているみたい。[[pict:kirakira]]
雑種の割りにとても賢いから私としても正直チャングミよりもいいんじゃない?と思うんだけどやっぱりそれでもこの家の家族が気に入らないのはバッリ(メス犬)だから。
そうは言っても家族も多いこの家、残ったご飯はその時に家にいると認識されている周りの動物みんなに配られる。[[pict:animal6]][[pict:cat]][[pict:dog5]]
毎日のご飯はちゃんとカルゥの分も取っておいてもらえるわけだし、カルゥにとっては猟の仕事はお休みになっちゃったけど生きていくのには問題ないみたい。
カルゥの頭をなでながら
「どこにも行かないで、ずっとこの家にいるんだよ。」
とささやいたことは田舎の家の家族には内緒だったりする。

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