ガムマドゥワ

今日の夜、ちょうどコロンボでは毎年恒例の盆踊りが行われるという話は聞いていた。
時間があったら行ってみようかな?と思ったものの、私にとってはそんなことよりももっと面白そうな話を聞いた。
毎年代々木公園で行われるスリランカフェスティバルにも行っているAアイヤの家のデーワーレ(ヒンドゥー教の神様を祭っている社)のお祭りをするんだって!
日本語で言うと魔よけのデビルダンスをするってところかな?
スリランカではトウィルと呼ばれるんだけど、最近のスリランカではこれをやる人がとても少ない。
どうしてかって、このトウィルはたいてい夜始まって、朝まで続く。
そうするとその間のナトゥンカーレヨー(ダンスをする人)や親族の食事の用意、部屋の用意、ダンスをする場所の用意などを含めて手間もかかるしお金もかかる。
それだけの時間もなかなかないし、今はやる人がとても少なくなっている行事。
だからやる人がいたら連絡してね!と元々アイヤには声がかけてあった。
そうしたら結局アイヤの家で行うトウィルの話が来たってわけ。
元々それが本職のアイヤの家はダーナにしてもスリランカ古来の行事を行うときにはしっかり行う。
これは盆踊りなんか行ってる場合じゃない!
ということで今日は夕方からアイヤの家へ移動してきた。
途中バスに忘れ物しちゃったけど、(「バスの忘れ物」参照)急いでアイヤの家に戻ったらちょうどトウィルが始まるところだった。
アイヤの家の今回のトウィルは夜7時に始まって次の日の夕方4時ごろまで行われる予定だった。
一晩だと思っていたからそれよりももっと長いのね。ってびっくりしたけどアイヤの家のトウィルだから別にかまわないよ!ただし私も最後まではいられないけどね・・・。

家の前の道路もきれいに飾り付けられていました。

家の前の広場にはポルコラ(ココナッツの葉)やケセルガハ(バナナの木)を使って作った踊り場が。
最初はベラカーラヨー(太鼓をたたく人)やナトゥンカーレヨー(踊り子)のダンスで始まったガムマドゥワ。

最初は白い衣装、しばらくすると黄色にビーズでデザインした衣装で踊ります。
火柱が地面や空高く上がるギニ(炎)のダンス

ファイヤーダンスのようにたいまつを手に持って踊ります。

更に特殊な木屑に火をつけて火柱を作ったりも。
深夜には今回のガムマドゥワの主催者、Aアイヤの女装してのダンス。

デーワーレから出てくるところから始まる。
このダンスは私も見るのは初めてでした!

明け方にはヤカー(夜叉)を体に呼び込むデビルダンス。

この時点ですでに踊り子の体には夜叉が。

ポルマル(ココナッツの花)やたいまつを持って1時間半踊り続けました。

ところかまわず特殊な木屑で炎を飛ばし、家の中まで入り込み、道路にまで飛び出して行ってしまったので、最後はみんなで押さえつけてヤカー(夜叉)に出て行ってもらいました。
朝になったら今度はシーヤ(おじいさん)のお面をつけた踊り子のコント。

お茶目なおじいさん、下ネタでみんなを笑わせてくれました。
私はここまでで帰宅してしまったけど、思っていた以上に退屈もしないであっという間に朝を迎えたガムマドゥワだった。
シンハラ語もとても興味深くて、一つ一つのダンスの途中でナトゥンカーレヤーとベラカーレヤーの声の掛け合いがある。
ナトゥンカーレヤーがベラカーレヤー何か聞くとがそれに答える。
するとベラカーレヤーが
「エヘナン!?(それで!?)」

「ホンダイ!(そうですか!)」
と答える。
シンハラ語の本来の言葉ではそれで!?は「イティン!?」という言葉になるけど、ここでは「エヘナン!?(そうしたら!?)」
という言葉で返される。
これはこういったデビルダンス特有の言葉の使われ方でそういった声の掛け合いもとても興味深いものだった。
Aアイヤの家のガムマドゥワは次回は2年後。
今回行ったのはAアイヤの誕生日のお祝いの代わりだったらしいけど、こういったデビルダンスを誕生日に合わせてやるのが一番のお祝いだ!とうれしそうにするアイヤがスリランカらしくてとても素敵に見えた。
たいていの踊り子たちは歳を取るにつれてひざを痛める。
ひざの痛みを我慢して今回のガムマドゥワをやったアイヤだったけど、すでに痛みは限界。
残念ながら今年のスリランカフェスティバルには参加しないことにしたそうだけど、本当はとても迫力があるアイヤのダンス、できれば2年後今度はしっかり最後まで見られるといいな!

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