デングの発生原因

デング熱にかかったらの話はわかったけど、
じゃあデング熱にならないようにするにはどうすればいいの?
今度はそういう疑問が出てくる。
デング熱というのはスリランカでは
主に都市部で発生する病気と言われてる。
「コロンボの病気」と言われたりするくらい。
もちろんコロンボではなくキャンディ近辺でも発生する病気だけど、どちらにしても人の多い町中で発生することが多い。
そもそも蚊というのは水の溜まっている場所で発生する。
だからココナッツの殻を水が溜まるようにして置いておいたり、ビニール袋を道端に捨てたり、そういうところで発生する。
そういう意味で自分たちの身の回りにしっかり注意を払っておける土地では発生しない病気。

身の回りなら都市部だって注意できるじゃん?
と思ったらそういうことじゃなくて・・・
身の回りに注意できるというのは
自分たちの生活する範囲を自分たちで管理できる状況
という意味。
だから家の敷地内だけでなく、道路の側溝、子供の行く学校、そういう場所も気をつけて、自分たちで注意・管理できる状態でないといけない。
要するに一番必要なのは大人も子供も各々にその意識がどれだけあるかということ。
農村部では生活する人も少ないし、各々が注意していれば問題がない。
田舎の子供たちは小学生になる前に蚊が発生するのを防ぐ方法なんかはちゃんと知ってて、そうなりそうなものがあれば自分から片付ける。
田んぼなんかに水があるといっても流れがある場所では蚊は発生しないし、水を張った池があっても虫を食べる魚を入れたりしてこまめに確認して防ぐことができる。
でも、都市部になると・・・
これは日本でも同じだけど都市部に住んでいる人たちは山間部など人の少ない場所に住む人たちよりも身の回りのことに鈍感になる。
自分たちの住んでいる家の側溝にどれだけゴミが溜まっているのか、隣の空き地に捨てられているビニールは何日前からあるのか。
そういうことを見て見ぬふりをする。
家庭用排水は農村部なら自宅の敷地内にある邪魔にならない場所にそのまま流れ出て、回りの草をうるおしながらそのまま地面に浸透していくから水は溜まらない。
でも都市部では家庭用排水は道の脇の側溝に流れ出る。
側溝には近所の人たちみんなが家庭用排水を流すものだからそこにどれだけゴミが溜まっているか見る人はほとんどいないし、それを進んで片づけたい人もいない。
日本でも都市部で自分の家の周りの側溝を片づける人はいなくて、やっぱりやるのは水道局の人とかそういうのを仕事にしている人たち。
スリランカだって自分の家だけが流しているものならいいけど隣の人も使ってるなら他の人が片付ければと思う心理はわからなくはないと思う。
そして
そういう場所から発生するのがデング。
デングを持つ蚊は写真で見ると拡大されて大きい気がするけど、
実際にはとても小さい蚊なんだとか。
多くは朝活動をするので特に朝に喰われる蚊に注意が必要とも聞く。
最近聞いた話では自宅ではなくて会社の敷地内に作られた池、学校の池、その近くで話していたところデング熱になったという話。
でも、それが確実な原因かどうかはわからないじゃない?
と思うでしょう?
でもそれが一人でなくて数人まとめてなるからわかるわけですね。
ちなみにここまで書いたようにデング熱は自分たちの身の回りをしっかりと管理できていないことから起こる病気。
だからスリランカの農村部では特にデング熱にかかることは恥ずかしいと思う節がある。
家がきれいに保たれていないということを証明しているようなもんだから。
私がデング熱になった時、正直田舎の家の家族はすごくびっくりした。
田舎の家の家族は今まで一人もデング熱になったことがなかったから。
デング熱だとわかった時、まず言われたのは
「アンタ、どんなとこに住んでるの?」
だった。
コロンボ市内でデング熱にかかった人たちも
「自宅でデング熱にかかった」
という人はあまり聞かなくて、
「●●へ行ったらそこの■■が原因で・・・」
とデング熱の原因は個人宅内ではないことが多い。
私の場合は家の裏の側溝がコンクリートで固められておらず、ただ溝を掘っただけの側溝が作られていたんだけど、そこでゴミが溜まり、水が滞ってデングが発生していたらしい。
でも、それも私の家は3階。2階には他の家族がいて、1階は大家さん。
側溝へ家庭排水を流すのはこの3軒だけでなく、隣の家や裏の家2軒も合わせて5〜6軒が流してくる側溝。
この近所の家もそれほど親密にみんなが仲良くしているわけでもないからみんなが
「誰かがやれば」
と思っていればそこで側溝はデングの発生地となる。
私が退院した後、
「側溝を掃除しない家は罰金5万ルピー」
という話があったため、その時はさすがにみんな側溝を掃除したけど、
それも各家で人を雇ってやってもらっていたみたい。
自分でやるのはやっぱりってことだと思う。
日本だって
「自宅の前の側溝のふたを開けて各自掃除をしてください!」
って言われたら誰だって嫌だと思うと思う。
(ま、この辺りはふたもないけどね。)
その後、ウチの裏の側溝はコンクリートで作りなおされたんだけど、その直後から一気に蚊は減った。
それで
「やっぱりあの側溝が原因だったんだね。」
とわかったというわけ。
スリランカに旅行に来ようとする時に
「デング熱に注意!」[[pict:exclamation]]
と言われると国中でデング熱が発生している、危険な国に思えるかもしれないけど、
もちろん発生するポイントがいろいろあって、場所によってはデング熱にかかる人なんていないよ。という場所もある。
コロンボなら人も多いし大丈夫でしょ?
と思うかもしれないけど、
コロンボだからこそ気をつけなくてはいけない場所だってある
ってこと。
デング熱ってそういう病気なんですよ。[[EE:SE00F]]

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