一夫多妻・・・じゃなくて一妻多夫のあったスリランカ

スリランカにあった特殊な文化に
一妻多夫っていうのがあったこと、
知ってますか?
世界には一夫多妻っていう
男性1人に対して複数の女性が妻となる
結婚制度があるわけですが、
スリランカではその反対の
1人の女性に対して複数の男性が夫となるという
一妻多夫っていう風習がありました。
その風習、土地や場所によって、
いろんな呼び方があるんですが
エカゲー キャーマというのがその呼び方の一つ。
しかもこの風習は昔の話ではなく、
近代まであった話で、例えば
「私のおばあさんは一妻多夫の家の妻だったのよ」
って話があるくらいの近代の話。
世界的に見ても一夫多妻がある国よりも
ずっと少ないのでびっくりされるわけですが
面白いのは、スリランカにあったその一妻多夫の婚姻は
実は女性にとって恥ずかしいことではなく
むしろ誇りであったということ。
ウィキペディアでも一妻多夫って検索すると
それについての話が出てきますが、
スリランカでは一妻多夫
という婚姻をする理由の一つに
土地の問題があったからだと言われます。
日本でも子供がたくさんいる家の場合、
女の子は嫁いでいくので
結婚した相手の家に入るし問題はないものの
男の子が何人かいる場合、
両親の持っている土地や財産を
その人数で分けることになるわけですよね。
そうすると起こってくる問題は
土地の細分化。
大きかった土地を男の子の人数で分け、
それを更に男の子たちの子孫が少しずつ分けていく。。。
土地がいくら大きくても
世代が進むにつれてどんどん小さくなっていってしまう。
それを解決するためにその家の複数の男性に対して
1人の女性を妻として迎え入れる。
もちろん子供は何人か産まれる可能性がありますが、
すべて第一の夫の子とする。
それがエカゲー キャーマだったと言われます。
そうすれば、子供が何人いても
みんな同じ家で生活することになるので
その代での土地の細分化が起こらない
ということになるわけ。
更にこの婚姻で良かったことというのは
家に複数の男性がいるので
女性と子供を守りやすくなるという点。
一夫一婦だと国の兵役なんかで
男性が家を留守にしなくてはいけなくなった場合、
家に残されるのは女子供だけ。
そうなるとその分やはり危険が多くなる。
でも一妻多夫の家だった場合は
1人の夫が兵役に行っても
残りの夫が女子供を守ることができる。
万が一戦争や事故などで1人がいなくなってしまっても
残された夫が家を守っていくことができるんですね。
そういうことで編み出された婚姻関係だと言われます。
え〜!でもそれって・・・
やっぱり嫉妬とかそういう家庭内での
いざこざはなかったの?
って思うわけですが、
そこをうまく調整していくのが
1人で複数の男性を相手にすることになる
女性の手腕だったんだそうです。
だからこそ、一妻多夫の家の妻であったということは
恥ずかしいことではなく、
その婚姻をすることができるだけの
度量のある女性であったという意味で
誇りなんだそうです。
もちろん、この理由のほかに
この婚姻が行われていた時代、
男性の人口が女性よりも多くなってしまっていた
という理由もあったとみられているんですけど。
スリランカで最初に
「エカゲー キャーマって一妻多夫制があったんだよ」
って話を聞いた時、
え〜!なにそれ!!?
って私も思ったんですが
その後大学院でその文化についての講義があって
その時代の人がいろいろ考えて
たどり着いた方法だったんだと知りました。
何かが行われるのにはきっとそれをするだけの理由と
バックグラウンドがある、
ってことですね。
そして、スリランカのそういった
詳しい話を知ることができたことが
私がシンハラ語を学んで得た喜びだったのかもしれない。
そんな風に思います。

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