それぞれの道

大学近くの個人寮にいたとき、毎日とても仲良く話をしていたMちゃん。
最初に寮を見に行ったときからずっといろいろ手伝ってくれたり、お互いの悩みを話し合ったり、今回の大学生活で一番の友達になったのが彼女だった。
そんな彼女が明日、新たな旅立ちをすることに。
大学で外国語を勉強してきた彼女がよく私に相談してきていたのが
「大学で勉強した外国語を生かしてどのように今後の人生を生きていくのか。」
そして大学生活の最後に彼女がつかむことができたのが、
ロシアへの語学留学!
もちろん希望したら誰でも留学できるものではなく、トップの成績がいい数人だけが選ばれるもので、選ばれたときにもとても喜んでいた。
そしてそれから半年ほどいろいろな手続きや用意に奔走しながらも私に話してくれたのが
「今になって、やっとKeikoがやろうとしてやってきた言葉の勉強方法がどういうことだったのか、よくわかった。私もロシアに行ったらKeikoと同じようにやってみたいと思う。」
ということだった。
私の勉強方法とは
スリランカで日本語を話すことを忘れるほどにシンハラ語だけの生活をすること。
シンハラ語だけを話そうとする私をやっぱり変わってると笑う人もいたし、それだけスリランカにいる日本人とも会わずに生活する私を見て「どうして自分の国の人と話したいと思わないの?」と不思議がる人もいた。
でもシンハラ語の生活にどっぷりと浸かることが文法をあれこれ勉強して頭で考えて話をするより、身をもって勉強をすることができる一番早い方法なんじゃないかと思ったから。
そしてそれが良かったのか悪かったのか、現在私が日常に話しているシンハラ語は確かに日本語→シンハラ語で考えて話していないので、逆に訳そうとするとぴったりした日本語がすぐに出てこないこともある。
そんな私の勉強方法だったけど、Mちゃんはロシア語という言葉を学びに行くことになって、その短い留学期間にいかに早くロシア語を身につけるかを考え始めてやっと私のやろうとしたことがどういうことだったのかがよくわかり、私の勉強方に挑戦したいと思ったのだと話してくれた。
「Keikoのやってること、私も最初は変わってると思ったけど、今考えると言葉を学ぶためには一番いい方法だと思う。
だから一緒に行くスリランカの他の留学生とロシアに行ってシンハラ語でおしゃべりなんかしていないで、少しでもたくさんロシア人の友達を作ってロシア語を自分のものにしたい。
Keikoはシンハラ語、私はロシア語、言葉は違うけど私もKeikoに負けないように、追いつけるようにがんばる!」

そう言ってくれた彼女は明日、いよいよロシアへ。
彼女がロシアへ行ってしまうと大学構内を歩いていても寂しく感じるだろうし、留学を前に寮を引き上げてしまった彼女とは、今までのように一緒に買い物へ行ったり他愛のない笑い話で笑いあったりももうできないのかと思うと寂しさが心に染みてくる。
でもこれから彼女は大学から離れて新たな道を進んでいく。
彼女はロシアで、私はスリランカで、お互い生まれた国ではない国でそこの言葉を学ぼうとしてる。
彼女の留学が今後の彼女の人生を明るく照らしますように!
Mちゃんが精一杯がんばってもっともっと素敵に輝きますように!

Mちゃんと過ごした思い出をたくさん思い出した一日だった。

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