シンハラ語でよかった!

今日が年末最後の大学院の授業。
ええ、こんな年末ぎりぎりまで[[pict:eq]]ってスリランカの新年は何度も言うように4月[[pict:sakura]]ですからね。
12月末から1月始めは通常営業です。
ちなみに1月の最初の授業は1月5日、つまり1週間後の土曜日。
ね、通常営業でしょう?[[pict:futaba]]
そんな大学院の授業。
スリランカの友達や知り合いにもびっくりされるけど、シンハラ語専攻の大学院といってもやってる内容はシンハラ語を中心にした歴史。
スリランカの古典文学文字の歴史はまだシンハラ語っぽいけど、世界とスリランカの映画の歴史、現代サブカルチャー、キャンディ時代の人々の生活、創造美術の歴史など一見シンハラ語とは違うんじゃない?というような科目もある。
でもそういった中から生徒達はそれぞれ自分の興味のあることを見つけ出し3月の試験で合格した後の論文のテーマをこういった授業をヒントに探していくらしい。
そんな今日の大学院の授業でスリランカの言い伝えについて余談があった。
スリランカで現在大多数を占めるシンハラ人。
その最初の話はかなり端折るけどインドの王様の娘がライオンと結婚をする。
ライオンは娘を洞窟に連れて行き一男一女の双子を授かる。
ライオンは毎日その3人を洞窟に隠し、岩石で扉をふさいで3人が出られないようにして狩に出かけたりする。
これはマハーワンサ(マハーヴァンサ)にも書かれていることなんだけど、
「この話、みんなもよく知ってる話だよね?」
と先生が話してくれた。
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ライオンと人間が結婚して子供が生まれるということはもちろんだけどありえない。
それが自分達の祖先だと言われるとそれもびっくりする。
でもその時代の人たちが何を言いたかったのか可能性を考えることはできるかもしれない。
普通に考えてライオンは人間と子供は作れない。
じゃあ、人間はライオンになれるんだろうか?
もちろん本当のライオンにはなれないけど、見かけがライオンのようにはなれるよね?
髪とひげを伸ばし野生のように生きていたら?
今ほど表現力もない昔の人がそれを見て大げさに「ライオン」と書いたとも考えられるよね?

そして奥さんと子供を洞窟に隠して岩石で扉をふさいで出かける・・・。
これは?
このライオンは家族を誰にも見せたくなくって隠したんだとすれば?

それって家族をすごく愛していたということだったのかもしれない。
もしそうだったらライオンの愛ってすごいよね?
元々人もいない洞窟なのにそこで更に閉じ込めておくほど大切な大切な誰にも見られなくない、見せたくないほどの宝物のような愛ってどれほどのものだったのか・・・考えられる?

もちろん今となっては真実はどうだったのかはわからないけど、1つのことでもいろいろな考え方ができるよね。
たとえばシンハラの言葉の基になったライオンについてはそう考えることもできる。
こう考えると言い伝えっておもしろいよね。
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正直神話程度の話だと軽く読み流していた話だったし、洞窟に閉じ込められた3人はさぞ窮屈だっただろうと私は奥さんと子供側に立って考えていたけど、ライオン側に立った考え方をすれば確かにそういうことになるのかもしれない。
そう考えるとその後3人が逃げ出し、ライオンが怒り狂って村人を殺して回ること、息子がライオンを退治しに行ったとき、ライオンが息子には攻撃できなかったこともつじつまが合う。
それほどまでに家族を愛していたから。
これは授業の大事な話ではなく、あくまで余談
人が話を残すということの本質はどこにあるんだろう?という考え方の一例だったんだけど私の心にとても強く残った。
この先生の話は授業の内容もわかりやすくてとてもおもしろい。
私はスリランカの歴史が知りたくてシンハラ語を勉強し始めたのが本当の始まりだと思っていたけど、先生の話を聞いていると自分の本当に知りたかったのはスリランカの歴史だったのではなくて、シンハラ語の歴史だったんだと思った。
実は一昨年まで大学院に進むとしてもシンハラ語専攻なのか歴史専攻なのか迷っていた。
でも今は
シンハラ語で間違ってなかった。
心からそう思う。

シンハラ語を思うとき、なんとも言えない気分になる。
ま、私はシンハラ語バカ[[pict:kirakira2]]ですからね!
スリランカの歴史の中でシンハラ語もいろいろな歴史を持っている。
一生懸命発展させてシンハラ語という言語について考えた人もいれば、涙が出てくるような信じられない方法でシンハラ語の歴史を壊そうとした王様もいる。
イギリスの植民地になったときも、英語教育によってシンハラ語は衰退した。
その後にもう一度シンハラ語を取り戻そうと尽力した人たち。
そういう人たちの努力によって今のシンハラ語がある。
そうしてそれに興味を持ってここまで来てしまった自分がいる。
シンハラ語を残しておいてくれてありがとう。
私と出会わせてくれてありがとう。

毎日事あるごとにそう思うし、ここで勉強できることがなんてありがたいことなんだろうと思う。
この大学院が終わった後、自分がシンハラ語に対してできることが少しでも増えたなら・・・。
私のできることはとても少ないけど、
シンハラ語をもっとみんなに知ってもらいたい!
それがKeikoの今の目標です。
後追いブログですがこれで2012年分はおしまい。
2013年もみなさんどうかよろしくお願いします!

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