男の子

どんどん道がきれいになっていくコロンボ。
新しい道ができて、高速道路もできるとそこにできるのは信号のある交差点。
と、その交差点が動き始めるとすぐにどこかからやってくるのはヒガーンニャ(物乞い)の人。
信号が赤の間に車におねだりをするわけですね。
10月にできたばかりのキャラニヤ側の高速道路の入り口にもヒガーンニャの人が立ち始め、コロンボの信号で停まるたびに車の間を縫うようにやってくる人を見て
「これがこの人たちの仕事なんだ」
と思いながらも図々しさに見とれてしまうこともあったりして。
(いえ、私はバス移動なのでおねだりされることはないですが。)
そんな今日コロンボ市内にあるスーパーに行ったところ、スーパーの駐車場スペースの端に車いすに乗った男の子がいた。
一瞬駐車場のお金でも徴収してるのかと思ったんだけど、そういえばこのスーパー、お金なんか徴収しないよね??
そんなことを考えながらそのままその男の子の前を通ってお店に入り、一緒にいた友人とスーパーに入り買い物をし、先に外に出ていた友人と合流したところ
「ねぇKeiko、あの車いすの男の子なんだけど・・・」
どうも友人の話だと「ヒガーンニャらしくない」という。
普通は嫌でも周りに寄ってきてお金をくださいとお願いしてくる。
でも男の子はまだ20代前半くらいで片方の足が無いのは確かなんだけど駐車場の端から動こうとしない。
誰かに話しかけようともしない。
友人が見ていたところ、同じ年頃のきれいな服を着た女の子たちが前を歩いてきても、男の子は下を向くばかりでじっとしていたんだという。
「ちょっと話してみようかと思うから待ってて。」
そう言って友人は車いすの男の子のところへ行って話しかけ、二言三言話をしてすぐに戻ってきた。
聞いてみると男の子、シンハラ語も少し片言でどうもタミル語が母語の子だったんじゃないかという。
『足、どうしたの?』
って聞いたら
『線路で△×をしていた時に・・・』
と片言で言われたその言葉も良く理解できなかったという。
数十ルピー渡したところ、自分のことを書いた紙を渡そうとしてきたけどそれももらえば彼はまた新しくその紙を作らなくてはいけなくなるし受け取らずに帰ってきたという。
確かにヒガーンニャというのは小さな子供かお年寄りが多い。
でなければバスに乗ってくる饒舌な若者。
そう考えると駐車場の端で小さくなってるのは確かに変わってる。
アピールしなくてはお金はもらいえないと言わんばかりにどんどん話しかけて来る人が多いのに駐車場の片隅で黙って下を向いていたらそれこそもらえるものももらえなくなっちゃう。
「もしかしたら出稼ぎか何かで田舎からコロンボに来たものの事故にあってどうしようもなくなったのかもしれないね。私たちは大学まで出てこうして五体満足にいられるけど、同じ年頃の男の子がああして毎日スーパーの端で声もかけられずにいるところを見ると、ああいう子たちこそ助けてあげなくてはいけないんじゃないかと思うんだよね。」
という友人。
確かに。
私も裕福なスリランカもたくさん見るけど、やっぱりいつかは本当に貧しくてどうしようもない子やああいった男の子をサポートすることができたら・・・
そう思わなくはない。
今はまだ私にその力はないけど、
いつかきっと・・・
誰かを手助けできる時が来ますように。

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