生きてる場所

最近、記憶の中でも3回同じバスに乗りました。
コンダクターさんが一緒だったので覚えていたんですけど。
で、このバスで見るのが3回目のものがありまして。
それがバスのひさしと窓の間に巣を作っている小さな丸いお腹のクモ。
3回とも夕方に乗ったんですが、クモって夕方になると夜に備えて巣を張るんですよね。
ということで一生懸命巣をきれいに作りなおしてました。
バスが走り出すと飛ばされないように小さくなって、バス停に止まった隙なんかにするする〜っと動いて巣を作ります。
しばらく見ていたらきれいな巣ができあがってたんですが、他ゴトを考えながら渋滞を抜けたところでふと見るとクモがいない!?
飛ばされちゃったんだろうか??
と思って心配していたら少ししてバスが停まった時にまたするする〜っと出てきました。
よく考えたらこんなところを住処にしてしまったクモも大変だな〜って思いました。
万が一バスが走り出した時に飛ばされてしまったらコロンボの主要道路を走っているわけで、道路はすごい車の交通量であっという間に轢かれてしまうだろうし、毎日片道20Km以上もの距離を何度も往復してるハズのバス。
飛ばされずにここに住んでいるのが奇跡。
バスを洗ったりすればもちろんそこでこの住処はクモと共になくなっちゃうわけだけど、私が出会うのが3回目っていうのも奇跡に近い。
このクモももっと安全な場所で生きる選択もあっただろうに・・・。
って思ったんですが、クモにとってはココが彼の世界であり、その他の場所を選ぶ選択もなかったんだろうな〜とも思いました。
今自分がいる場所が自分が生きる世界。
だからそこでできることを精一杯。
失敗したらそこまで。

なんでしょうね。
バスのひさしなんかで巣を作ったら危ないのにと思うのは私の頭で、クモにとってはどんなに危険でも住み慣れたこのバスのひさしがいいわけで、良かれと思ってどこかに移動させてあげたとしてもありがた迷惑。
もしかしたら移動させてあげた先の方が外敵が多くてあっという間に人生終わっちゃうのかもしれないし。
そんな風に考えながら風に飛ばされないように小さくなってがんばってるクモをぼんやり見てました。
本当、クモも人も、生まれた場所、流れ着く場所ってそれぞれで、結局お互いに手だしをしないでそっとしておいてあげるのがいいのかもしれない。
余計な干渉をしないで、自分の考えを押しつけるようなこともしないで。
次回バスに乗る時にもクモがまだいたらいいな〜。
そんな風に考えながらバスを降りて帰って来ました。

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